建設業許可申請の手続きとそのポイント

コラム

建設業を始めるには、許可申請が必要です。この記事では、建設業許可の種類、申請手順、そして満たすべき要件について解説します。申請に必要な書類や、事前に注意すべきポイントも確認しておきましょう。


建設業許可の種類

建設業許可には、「知事許可」と「大臣許可」の2種類があります。建設業を1つの都道府県内で営む場合は「知事許可」、複数の都道府県で業務を行う場合は「大臣許可」が必要です。また、工事の内容によっても異なり、各専門工事業種ごとに申請が求められます。許可の種類によって審査基準や提出書類が異なるため、自社の業務内容に応じた適切な許可を確認することが重要です。

建設業許可の必要性

建設業では、一定規模以上の工事を請け負うためには許可が義務付けられています。許可がないと大規模工事を受注できないだけでなく、信頼性が低いと判断される可能性もあるため、事業成長のためには許可取得が必須です。なお、許可が不要な軽微な工事の範囲についても確認しておきましょう。

許可取得の基本要件

許可申請にはいくつかの基本要件が設定されており、以下の条件を満たす必要があります。

1. 財産的基盤

申請者は一定の財産基盤があることが求められます。例えば、自己資本や純資産額が一定以上であること、または信用調査の結果が良好であることが重要です。

2. 経営管理責任者

経営管理責任者の実務経験も審査対象です。過去に一定期間、建設業に関わる経営経験や管理業務に携わっていたかがチェックされます。十分な経験がない場合、資格を持つ人材の採用が求められることがあります。

3. 専任技術者

専任技術者の配置も必須です。専任技術者は、業務の専門性と安全性を確保するために必要なポジションで、工事の種類に応じた資格や実務経験が問われます。

4. 営業所の設置

営業所の設置も重要な要件です。営業所の所在地や事務設備の整備が確認され、専任技術者が常駐する必要があります。

申請手続きの流れ

申請手続きは次のようなステップで進めます。

1. 事前準備

まず、必要書類の収集を行います。許可申請には、履歴事項全部証明書、経営状況に関する書類、技術者の資格証明書などが求められます。

2. 書類の提出

書類を揃えたら、所轄の役所に提出します。知事許可の場合は都道府県庁、大臣許可の場合は国土交通省に申請します。書類審査では、不備や不足がないか厳密にチェックされるため、内容に漏れがないよう確認が必要です。

3. 許可の審査

提出した書類をもとに、各許可基準を満たしているか審査が行われます。審査には数か月かかることがあり、申請内容によっては補足資料の提出を求められることもあります。

4. 許可証の受領

審査が無事に終了すると、許可証が交付されます。許可証を受け取った後は、一定期間ごとに更新手続きを行う必要があるため、更新時期も管理しておきましょう。

申請の注意点とよくあるミス

申請時に発生しやすいのは、書類の不備や要件の未確認です。書類の記入漏れや不正確な情報の記載、または要件を満たしていない場合、申請が却下されることがあります。また、営業所の要件や技術者の資格要件を見落とすケースも多いため、申請前に各基準を再度チェックすることが重要です。

許可取得後の維持管理

許可取得後も、定期的に経営状況や技術者配置の報告が求められます。さらに、数年ごとの更新手続きを怠ると、許可が失効するため注意が必要です。業務拡大や新たな工事種目に対応するための追加許可申請も検討し、常に許可内容を最新に保つことが大切です。


建設業許可の取得は、事業の信頼性や業務範囲の拡大において非常に重要な要素です。許可取得のための手続きを正確に理解し、申請準備を万全にすることで、スムーズな事業運営を目指しましょう。